カットの基礎はこれでバッチリ!知っておくべきカット理論

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カットの基礎

カットの技術は、お客様のご要望に合うヘアスタイルの実現のためにはとても重要。美容師の見習いやスタイリストを目指して勉強している方に向けて、こちらではカットのやり方を紹介していきます。

カットが思うようにいかず、やり方を見直してみたいという方もぜひ参考にしてください。

 

押さえておきたいカットのやり方

ブラントカット

出典:LALA(https://lalahair.co.jp/bob/6432/

ブラントカットとは数ある技法の中でも、基本的なカットの技法。ハサミを横に入れて直線でカットしていく方法で、切った後の毛先が真っ直ぐに揃っているのが特徴です。コツとしては、適度に髪の毛を湿らせておくこと。ブラントカットは切った後のお手入れがラクで、傷みにくいのがメリットです。

ブラントカットで髪の毛をどの方向から見ても直角にするためには、後ろと横からのチェックが欠かせません。頭は平面ではなく奥行きのあるもので、ひとつの側からしかチェックしていないと切り口が美しい直角にはならず、全体のバランスがおかしくなってしまうので注意しましょう。

ブラントカットが似合うヘアスタイルには、ボブやマッシュスタイルのショート、ワンレングスなどの重めなものがあります。

ブラントカットは切った後に毛先が真っ直ぐに揃うため、お客様から毛先がバラバラになるというお悩みを相談されたときにも提案できるスタイルです。基本的な技術ですが髪のシルエットがはっきり見えるカットなので、ある程度の経験がないときれいに仕上がらない場合もあります。

 

ハイレイヤー

出典:Hair(https://hair.cm/)

段差を大きめにつけるハイレイヤーは、動きを出せるカット方法。トップを短くして、アンダーに向かって次第に長くカットしていきます。レイヤーカットがより目立つ切り方です。

トップにボリュームがくるので、お客様が小顔を狙いたいときに提案するのも良いでしょう。また、スタイル全体に動きが欲しいという要望にもピッタリ。ハイレイヤーをすると軽やかなヘアスタイルになるので、春や夏のシーズンにおすすめです。

ローレイヤー

出典:Hair(https://hair.cm/)

レイヤーカットの一種であり、段差を控えめにするカット方法です。全体的にまとまった落ち着いた雰囲気になります。毛先に軽さを出しながらも、髪の広がりを抑えることが可能です。あまり重すぎずに仕上げたい場合は、カラーやパーマで軽さを演出することをおすすめします。

インレイヤー

丸みのあるラインを作りたいときは、インレイヤーが適しています。内側を短く、外側を長くしているので、トップにボリュームを出しやすいのが特徴。髪にボリュームがなく、ぺたんこになってしまうとお悩みのお客様におすすめです。

頭のラインに合わせた仕上がりにすると、キュッと引き締まったイメージを作り出せます。また、レイヤーカットにありがちな、パサついたり、寝癖がつきやすかったりすることがほぼないのが魅力です。

セイムレイヤー

別名「セイムレングス」とも呼ばれているカット。切り口を真っ直ぐに揃えるやり方で、長さを変えることで、ベリーショートからロングまで対応できます。性別を問わずに、色々なヘアスタイルに応用が可能です。頭の丸みにあわせて切ることで段差が自然になるので、太くてかたい髪質に悩むお客様にも適しています。

ポイントカット

ギザギザな切り口が特徴でチョップカットとも呼ばれており、ラフなイメージにしたいときにピッタリ。縦にハサミを入れるカット技法で、叩き切るような切り方が特徴です。

ランダムな毛先が自然な動きを生み出すため、カジュアルなヘアスタイルをご希望の方にも向いています。レイヤーカットと組み合わせて、雰囲気を少し変えるのも1つの方法です。

カットするときは毛先に対してハサミを突くように入れるので、指を切らないように気をつけましょう。斜めから入れた刃先を引くときは、特に注意が必要です。

ポイントカットをすると毛先はギザギザしたラインで不揃いな印象に。毛量が少なくなり軽くなることで、垢抜けた自然なスタイルが完成します。毛先で少し遊んだり、スタイルに動きをつけたりしたいときに最適な方法です。ランダムな毛先の流れが、アクティブな雰囲気を作り出します。

また、段差をつけたヘアスタイルに仕上がるレイヤーカットと組み合わせることで、毛先にしなやかさを出すことも可能です。

グラデーションカット

出典:Hair(https://hair.cm/)

グラデーションには、「段階、かすれ、ぼかし」などの意味があります。グラデーションカットは密で繊細な段差をつけたカット方法です。毛束を平行に持ち上げて頭の上部を長く、下部になるにつれて短くなるようにカットしていきます。こうすることで、毛先に幅の狭い段差ができます。

グラデーションカットをするヘアスタイルは、ショートヘアやボブヘアが代表的です。髪にはあまり段差がつかないため、ボリュームと丸みのある形に仕上げられます。他の段差をつけるカット方法と比べると、丸くて優しい、女性らしいイメージになるのが特徴です。

また、ダークな色のヘアカラーにすると落ち着いた印象に、明るめのヘアカラーにするとポップで可愛い印象になります。

グラデーションカットは正確な技術が必要とされるので、慣れるまではある程度の経験が必要でしょう。髪のどの部分をどれくらい、どういった角度で持ち上げるか、切っていく角度はどうするかを見定めることがとても重要です。

ドライカットとウェットカットの違い

ドライカットとは?

ドライカットは、シャンプーをしないで髪が乾いた状態でカットをする方法。髪のクセやはねなどの解消が可能です。また、無造作な動きを出したいときにもおすすめです。

メリット

動きや束感を出しやすい

ドライカットは、髪と髪の空間を把握しながらカットする方法。エアリーさや束感を出したり、トップの動きや無造作な動きを出したりしやすいのが良さです。

ヘアスタイルの再限度が高い

ドライカットはシャンプーをせず髪が乾いた状態でのカットなので、毛先やクセなど家で髪を乾かしたときと同じ状態でカットをスタートできます。そのため、「ここの毛先だけがはねる」「サイドがまとまらない」などお客様が日頃困っている細かいスタイリングの悩みを改善に導けるのです。

ドライカットならお客様は特に何をしなくてもドライヤーで乾かすだけで、美容院と同様にスタイリングを再現できます。スタイリングが苦手なお客様や美容室に時間をかけたくないお客様にピッタリです。

デメリット

髪質をよく把握して切る必要がある

ドライカットはウェットカットより、髪のクセや生え方を把握していないといけません。何回か担当しているお客様相手なら、髪のクセや生え方をよく理解しているので施術しやすいでしょう。

しかし、初めてのお客様だと髪質がわからず、それらを見極めてから施術を行わなければならないためどうしても施術に時間がかかってしまいます。

髪質によってはダメージが起こる

乾いている髪の毛は、濡れている状態と比べると硬くなっています。その状態のままハサミで切ると摩擦が起きてしまい、髪質によってはパサつきなどの原因になることも。お客様の髪質やお悩みに合わせて行うようにしましょう。

 

ウェットカットとは?

ウェットカットは美容師が最初に習うカット方法です。ドライカットと比べて、多くの美容師にとっていちばん慣れている切り方と言えるでしょう。髪の長さを大幅に変える場合や重ためのヘアスタイルにする場合などに、ウェットカットが最適です。

メリット

ヘアスタイルが長く持つ

ウェットカットには、ヘアスタイルが長持ちしやすいメリットがあります。切り口がまっすぐ切れているため、カットしてから日にちが経ってもある程度まとまったスタイルの継続が可能です。髪の毛は1本1本伸びる速度が異なるのでカットから時間が経つと毛先がバラバラになりますが、それを補えるカットと言えるでしょう。

ドライカットよりはダメージが起こりにくい

濡らさずにそのままハサミを入れるドライカットに対して、濡らした髪にハサミを入れるウェットカットは髪へのダメージを抑えることが可能。濡れている髪は柔らかいので、ハサミによるダメージを少なくして切れます。

デメリット

 次の日のスタイリングが難しい

髪の毛を濡らしているため、髪本来のうねりやハネなどに気づきにくいのがデメリット。髪が乾いた状態の完璧なイメージがしにくく、正確にカットしづらいのです。カット後にちょっとした毛先のハネや広がりがあっても美容師がきれいにブローすれば収まりますが、お客様自身できれいにスタイリングをするのは難しいでしょう。

1つずつヘアカットを身につけてお客様を笑顔に

ここまでカットの基本についてご紹介してきました。ただ、カットをするうえで大切なのは技術だけではなく、お客様が喜ぶ・笑顔になれる髪型を作るということです。

テクニックばかりを追うのではなく、お客様目線も忘れずにカットの技術向上に取り組んでいきましょう。