美容師のむくみ対策

美容師は日常的に長時間の立ち仕事をする職業のため、足がむくむという悩みをお持ちの方は少なくありません。
むくみは「朝は楽に履けていた靴が、仕事が終わる頃にはキツくなっている」「足がだるくてつらい」など色々な悪影響を及ぼしてしまうものです。

そこで、今回は美容師の悩みの1つである「むくみ」の原因や仕事しながら可能な対策などをご紹介します。また、セルフマッサージ方法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもむくみの原因は?

「足のむくみ」は、さまざまな原因が考えられます。ただ、美容師という職業に絞って考えると、大きな原因はやはり長時間に及ぶ立ち仕事でしょう。
足のむくみは、心臓より押し出された血液が、上手に心臓に戻ることなく足でとどまることで生じます。
足に流れてきた血液を心臓に戻すのに大切なのがふくらはぎの筋肉ですが、長い立ち仕事で同じ体勢が続くとふくらはぎの筋肉が動きません。そうなると、心臓にスムーズに血液を戻せなくなって足に血液が滞ってしまい、むくみを引き起こしてしまうのです。

立ち仕事以外の原因

長時間の立ち仕事とは別に、病気が原因になっている可能性もあります。心臓の働きの低下によって血液の循環が滞っていたり、下肢静脈瘤という静脈にコブのようなものができる病気のシグナルだったりする場合です。
一般的な対策をしてもなかなか改善されない、症状がひどくなっているといった場合は、念のため病院にかかることをおすすめします。

仕事中にできる足のむくみ対策

しっかり水分補給をする

「水分補給するとむくみそう」というイメージのある方もいらっしゃると思いますが、適切な水分補給はむくみ対策に有効です。
確かに、過剰な水分摂取はむくみの原因です。だからといって水分補給を控えてしまうと、本来必要な水分が不足して血液がドロドロになり流れが悪くなってしまいます。仕事中でも意識して水分を取るように心がけましょう。
水分を摂取する時の基本は、少しずつゆっくりと飲むことです。こまめにゆっくり飲むことで、ミネラルも効率的に吸収できると言われています。

簡単なストレッチをする

むくみの原因である足の血流の停滞は、長時間同じ姿勢を続けることにより起こります。それを解消するには、筋肉を動かしてあげるストレッチが効果的。特にふくらはぎの筋肉を動かすことが重要です。1時間ごとに、つま先立ちを繰り返す運動をやってみてください。
両足を肩幅程度に開き、すっと上に伸びるイメージそしてつま先で立ちます。そして、かかとをゆっくりと下ろします。1度で10回程度が目安です。

むくみ対策グッズを利用する

なかなかむくみが解消されない場合には、「むくみ対策グッズ」を利用するのも良いでしょう。むくみ対策グッズのなかで仕事中でも利用できるものの1つが「着圧ソックス」です。
着圧ソックスはふくらはぎに適度な圧力をかけられる靴下です。商品ごとに、足のサイズやかける圧力に違いがあります。その他は、休憩中などに使用できるマッサージグッズやストレッチグッズもむくみ対策に便利です。

むくんでしまった時の対処法は?

マッサージグッズを使う

むくみ予防に効果的なグッズもあれば、起きてしまったむくみを解消するためのマッサージグッズも販売されています。
むくみ解消のグッズのなかでもマッサージ用のコロコロなど、プラスチックなどでできている簡易的なものは、比較的低価格で簡単に使用できます。形状はさまざまなので、自分に合ったものを探してみましょう。手軽にケアを始めたい方におすすめです。
少し金額は高くなりますが、足専用の電動マッサージ機もあります。機械に足を置くだけで良いので、とても楽なむくみ解消法と言えるでしょう。自宅でゆっくりとマッサージができると、むくみ解消だけでなく心身のリラックスにもつながりますね。

寝る前にストレッチ

寝る前にストレッチをすることも、むくみ解消に効果があるとされています。ストレッチで体全体を使って血流を良くするのですね。適度な運動によってリラックス感も得られるので、睡眠の質の向上も期待できます。

寝ながらむくみ対策

むくみへの対策は、寝ている間にも行えます。その1つが、「着圧ソックス」です。寝ている間に装着するだけなので手軽です。ただし、ゆるすぎたり、キツすぎたりするとむくみ対策にならないため、必ずサイズを確認するようにしてください。
また、クッションなどを利用して足を高くして寝る方法も。液体が高いところから低いところへ流れる性質を利用するものです。取り入れやすいものから試してみましょう。

 

むくみ対策のために普段から意識したいこと

塩分過多に気を付ける

塩分は体にとって不可欠なミネラル分です。しかし、大量に摂取をしてしまうと死に至ることもあるほどの物質でもあります。
人間の体は塩分の濃度を一定に保つ機能を持っています。その機能により塩分の多いものを摂取すると、体は塩分の濃度を下げようと血管内に水分をため込みます。そのため、味の濃い食事やスナック菓子など塩分が多めのものを食べ過ぎるとむくみが悪化するのです。
日本人は調味料やお漬物など、塩分が高いものを好む傾向にあります。また、無意識のうちに塩分過多な食生活を送っている方も珍しくありません。特にスナック菓子やコンビニ弁当、外食などの機会が多い方は、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎていないか、成分表示などを確認するようにしましょう。

塩分排出を助けるカリウムを取る

むくんでいると感じた時には、「カリウム」を積極的に摂取することをおすすめします。カリウムは塩分(ナトリウム)と相互に作用しながら、体内の水分を適切に調整してくれる必須ミネラルです。塩分が高めな食事をしたら、カリウムも摂るようにすれば体内の水分量を整えてくれるでしょう。水分と一緒に塩分も排出されます。
カリウムが多く含まれる食べ物としては、昆布やひじきなどの海藻類、干し柿、アボカドなどの果物、イモ類があげられます。
※ただし過剰摂取には気をつけましょう。

日ごろから体を動かすようにする
むくみ対策のためには、日ごろから少しの時間だけでも良いので運動の習慣を付けることです。
美容師という職業は長時間の労働も珍しくなく、なかなか体を動かす機会も少ないかと思います。しかし、むくみを起こさなためには、筋肉のポンプ機能や心肺機能の向上は必須。定期的に体に負荷をかけて、筋肉を鍛えましょう。

アルコールを飲み過ぎないようにする

お酒が好きな方、お酒を飲む機会の多い方は、アルコールを飲み過ぎないことも重要です。お酒を飲むとアルコールの分解に水分が使用されます。水分を失った血は流れが悪くなるので、むくみが起こりやすくなります。
また、アルコールの分解に水が必要なため、のどが渇きやすくなり、過剰な水分摂取もまねきます。さらに、お酒に合うおつまみは塩分過多なものが多いので、余計にむくみます。お酒は適量にして、おつまみも塩分控えめなものにしましょう。

 

体を締め付ける服は選ばない

体を締め付ける下着や服などの着用も、むくむ原因の1つです。これらは、血管を圧迫して血の流れを悪くしてしまいます。特に女性の方は体型矯正のためにきつい下着を着ける場合もあると思うので、気を付けるようにしましょう。
スタイル良く見せつつも締め付けないタイプの下着や服を選べると、むくみの対策になります。

体を冷やさない

体が冷えてしまうと血管が収縮し、血液の流れを悪くしてしまいます。冷え性にお悩みの方、職場や家が冷える方は冷えてしまわないように足元にはレッグウォーマー、上半身にはガーディガンなどを用意して冷えの防止を行うと良いでしょう。

 

お風呂上りにおすすめ!自宅でできるマッサージ

むくみの解消を促すマッサージは、リラックスできる入浴後に行うのがおすすめです。以下で、具体的な方法をご紹介していきます。

ふくらはぎ

まずは足首を両手で持ち、雑巾絞りのイメージで左右反対方向に絞るように動かしていきます。足首からはじめて、ひざ付近までゆっくりと行っていきましょう。

 

ひざ裏

ひざの裏を両手の親指で押していくマッサージです。繰り返しまんべんなく行うことで、リンパの流れを活性化したりたまっていた老廃物を流したりします。最初は痛いかもしれませんが、リンパの流れが良くなるにつれて少しずつ痛みが和らぐはずです。

 

太もも全体

手をグーにして、太ももの裏側から行います。ひざ側から腰側にかけて、強く擦るようにマッサージしていきましょう。太ももの内側や外側も同じような手順で行います。

 

太もものつけ根

太もものつけ根にあるのがリンパ管の集まるリンパ節です。あぐらをかいて太ももの付け根部分、すなわち、リンパ節を親指で押し込むようにマッサージすることで、リンパ液の流れが良くなります。

マッサージを控えたい時

マッサージはむくみに効果がありますが、血管が拡張している飲酒後などのタイミングでは控えるようにしましょう。このような時にマッサージを行うと、心臓に負担をかけてしまう場合があります。
また、入浴中のマッサージも人によっては血圧の上がり下がりが激しくなるので要注意。妊娠している方や持病のある方も、1度医師に相談してから行うようにしてください。

まとめ

多くの美容師を悩ませているむくみですが、対策をすれば改善も可能です。ぜひ、ご紹介した方法を試してみてくださいね。