美容師が採用面接を受けるときに覚えておきたいポイント

美容室やサロンの面接に挑むにあたり、どんなことに注意するべきなのでしょうか。

面接本番では緊張してしまう人がほとんどでしょうから、事前にしっかり準備をしておくことが大切です。

ここでは、美容師の面接における注意点やマナー、面接官に好印象を与えるためのコツや長所短所の答え方などについて解説。あなたの素晴らしさが面接官にしっかり伝わるよう、ぜひお役立てください。

 

面接前にチェックしておくべきこと

履歴書に書く文字は丁寧に!

履歴書を手書きする場合は、読みやすく正しい字を書くよう心がけましょう。上手に書かなければならないということではありません。一文字一文字心を込めて書き、丁寧に履歴書を作成したことが伝われば十分です。なぐり書きのような雑な文字では「仕事も雑に取り組むのではないか?」と思われかねません。

パソコンで履歴書を作成する場合は、印刷時に文字がきれてしまったりしないように注意してくださいね。

 

髪型や服装などの身だしなみは?

美容師の仕事では比較的自由な服装で接客にあたります。ですが面接では社会人としてのマナーを重視し、清潔感のある服装や髪型を心がけましょう。

髪型・メイク

美容師の仕事では髪型で自分のセンスを表現できることもあり、自由なスタイルで働けます。そのため、面接だからといってサラリーマンのような黒髪や短髪に括る必要はありません。ただ、自分のセンスや個性を表現した髪型で良いものの、清潔感は大切。長い髪はまとめ、顔に髪がかからないようにしましょう。

また、メイクは派手なものは控え、ナチュラルな方が無難。カラフルな色づかいやラメなどは避け、肌なじみの良い色を選びましょう。

服装

服装では、基本的に黒やグレーなどの落ち着いた色のスーツを着用しましょう。インナーには白いシャツなどを着用し、あくまでも一般的な面接スタイルに。また、女性はスカート丈が短くならないように注意し、ストッキングの着用も忘れないようにしましょう。

なお、靴に関してもシンプルなものを選び、3~6センチくらいまでのヒールのある黒いパンプスなどがベスト。ブーツやサンダルなどはマナー上NGですので避けましょう。バッグも黒などの落ち着いた色を選び、ビジネスシーンに相応しいシンプルなデザインのものにしましょう。

ネイルはOK?時計やアクセサリーは?

ネイルをしていくこと自体は問題ありませんが、清潔感があり主張しない色選びを。ベージュや淡いピンクなど、目立たない色が良いでしょう。また、腕時計はシンプルなものであれば着用OK。アクセサリーは小さくシンプルなものに留めます。一切着けないという選択肢もありますよ。

「服装自由」といわれた場合は?

会社によっては「面接時の服装自由」というところもあります。その場合はスーツを着用する必要はありませんので、私服でOK。ただし私服でも清潔感のある服装を心がけ、露出度の高い服やカジュアルすぎる服装は避けるようにしましょう。また、その美容室のイメージに合っているかも大切です。働いている美容師や客層を事前に観察し、イメージにマッチした服装を選びましょう。

なお、ネイルやメイク、アクセサリー、バッグや靴はスーツ着用時と同様に派手なものは避け、ブーツやサンダルではなくパンプスを着用しましょう。

面接会場でのマナーは?

まず、面接会場には早めの到着を心がけましょう。時間ギリギリに焦って駆け込むのは印象が悪いうえ、万全の状態で面接に臨めません。ただし早すぎる到着も先方に迷惑がかかってしまいます。そのため、約束時間の10分前くらいを目安にするのが良いでしょう。

また、もしもコートなどの上着を着ている場合は脱いで畳み、身だしなみを整えた状態で美容室に入ります。面接中にメモやペンが必要な場合はあらかじめ出しておき、面接が開始してから慌てて出すことのないようにしましょう。

 

美容師の面接時のコツ

面接官が入室したらまずは席を立って挨拶します。「本日はお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。」と礼儀正しく振る舞うようにしましょう。

自己紹介のポイント

面接では、最初に自己紹介を求められることが多いようです。焦らず落ち着いて、自分の経歴やこれまで学んできたことなどを話すようにしましょう。つい自己PRに夢中になってしまいそうですが、専門学校で何を学んだのか・これまでどんな経験を積んできたのかなど、簡潔に話せるよう練習しておきましょう。

自己PRのコツ

自己PRはいかに自分が優秀でその会社に相応しいかということを伝えるチャンス。つい「コミュニケーション力があって努力家で、技術もあって…」と模範的な回答で失敗を避けたくなりますが、印象に残りにくいという欠点もあります。

自己PRの際は自分が最も強みとしている部分にフォーカスし、より具体的に伝えるようにしましょう。もしも受賞歴などの実績がある場合は、それも伝えると良いですね。

好印象な自己PR例

「私は技術力に自信があり、特に○○の技術は何度も練習してきました。その努力が認められ、コンテストでは○○賞を受賞した経験もあります。また、接客について最初は苦手意識があったのですが、以前の職場でお客様と積極的にコミュニケーションをとるようにしたところ、今では接客も得意分野となりました。」

志望動機はどうする?

志望動機では、面接官は「応募者がこの会社に相応しい人材であるのか、入社してもらったらどんなメリットがあるのか」を知りたいもの。そのため、あなたがどんな強みを持っていて、入社してどんなことをしたいのか・できるのか、いかにサロンに相応しい人材であるかをしっかりアピールしましょう。

面接時に聞かれやすい質問例

美容師の面接ではさまざまな質問をされます。好印象を抱いてもらうためには、面接官が知りたい内容についてしっかりと答えることが大切。

その質問で応募者の何を知りたいのかを理解し、その会社に相応しい人材であることをアピールしましょう。ここでは、美容師の面接で聞かれやすい質問について紹介しています。ぜひあなたらしい回答の参考にしてください。

「あなたの美容師としての目標は何ですか?」

この質問では、応募者がどんなビジョンを持って働くのかについて知ろうとしています。これからどんな美容師になりたいか、できるだけ具体的に答えましょう。もしも尊敬している美容師などがいれば実名を出して理由を話すのも良いでしょう。

「あなたの得意な施術は何ですか?また、今後磨きたい技術は?」

この質問では、あなたの得意な施術や今後の目標を聞き、あなたが自分の力量をしっかり理解しているか、努力が必要な部分に対してどのように考えているのかを把握します。

また、得意な施術がその美容室と合っているかもポイント。美容室によっては特に力を入れているメニューなどもありますので、その施術が得意・または目標としている応募者こそマッチしているとも考えられます。得意な施術や目標について正直に答えることが前提ですが、もしもその美容室で注力している施術があれば、そのことについても前向きな姿勢を示しましょう。

「美容学校では何を学びましたか?」

正確に、かつ具体的に答えるべき質問です。美容学校で学んだ内容はもちろん、どんな技術や知識が身に着いたのか、学んだことで自分の考えはどう変わったのかなど「何を学んで、何を得たのか」を明確に答えましょう。

「当社に興味を持ったきっかけについて教えてください」

志望動機の質問と似ていますが、この質問では“きっかけ”について聞いています。正直に答えて構いませんが、その理由もしっかりと答えましょう。自分がどんな美容室を求めていて、その会社のどこにひかれたのか、またどのような経緯で志望に至ったのかも簡潔に答えられると良いでしょう。

「あなたの趣味は何ですか?」

正直にあなたの趣味を答えましょう。ただし「趣味は○○です」で終わるのではなく、どのくらいの頻度でその趣味に取り組んでいるのか、なぜその趣味を選んだのか、その趣味の魅力などについても答えましょう。この質問ではあなたの人柄を判断する材料としていることが多いため、ポジティブなイメージで話すことが大切です。

「今までで一番頑張ったと思うことを教えてください」

この質問ではあなたの人柄や物事に対する姿勢などを知ろうとしています。最も頑張ったと思う事柄について、どう頑張ったのか、そのときにどんなことを経験して何を感じ、どう糧にしたのかを答えられると良いでしょう。

「あなたが働くうえで最も大切にしていることは何ですか?」

この質問ではあなたの人柄や働く姿勢について知るほか、会社の体制や方向性とマッチしているかを見極めています。大切にしていることにその理由を添え、またそのためにどんな努力をしているのかも答えられるとよいでしょう。質問されたときに戸惑わないよう、事前にしっかりと答える準備をしておくことが大切です。

「あなたが考える仕事のやりがいを教えてください」

あなたがどんなことに仕事のモチベーションを得るのかについて聞いています。どんなときに「この仕事をやっていて良かった!」と感じるのか、またそれはなぜなのかを答えましょう。もしも新卒の方などで仕事経験がない場合は、自分が思う美容師の仕事の魅力について考えてみると良いでしょう。

「今後当社が発展していくために、どんなことが必要だと思いますか?」

この質問では、あなたの会社への理解度を計り、しっかりした考えを持っているかを確認しています。難しい質問ではありますが、事前にしっかり準備しておくことが大切です。

会社の強みや会社が今力を入れている点を軸に、「今後美容業界ではこのようなことが求められると思うから、このような努力が必要。たとえば○○などに取り組むとよりファンを増やせると思う」など、自信を持って答えましょう。

「最近興味を持ったニュースについて教えてください」

美容師の仕事と関係あるの?と思われがちですが、この質問はさまざまな業界の面接で取り入れられています。いかに最新のニュースを知っているかを確認しているのではなく、あなたがどんなことに興味を持ちどんな価値観を持っているのかを知ろうとしています。

美容師に関するニュースがあればそれをチョイスするのがおすすめですが、そうでなくても「なぜそのニュースに興味を持ったのか・どんなことを感じたか・今後どのようなことが社会に必要か」など自分の考えをしっかり伝えましょう。

「今後のキャリアプランについて教えてください」

あなたが将来についてしっかりと考えているか、また会社とマッチするかについて知ろうとしています。そのため、自分が目指すキャリアプランを明確に答えましょう。「いつまでにどのポジションに就きたいか」「そのためにこういう経験や技術を身に着けたい」など、具体的に答えるようにするのがポイントです。「いつかは店長になりたいです!」のような漠然とした目標では、実現しようとする意思が弱いとみなされますので注意しましょう。

また、あなたの目指すキャリアプランが会社とマッチしているかも重要です。その会社では実現不可能なキャリアプランの場合、面接官は「この応募者はすぐに辞めてしまうかも…」と感じてしまいます。

「好きな言葉や座右の銘を教えてください」

あなたの好きな言葉や座右の銘を正直に答えましょう。ただし、ポジティブなものを選ぶのがポイント。なぜ好きなのか理由も添え、あなたの人柄や価値観が伝わるようにしましょう。

「希望年収はありますか?」

この質問の答えで入社時の給与が変わるわけではありませんが、希望年収を聞くことであなたが会社にマッチしているかを判断しています。

正直に答えていいものか…と悩むかもしれませんが、その会社の求人と大きくかけ離れていなければ問題ないでしょう。会社が示している年収と比べて大きく異なる場合、会社にマッチしない人材だと判断されてしまいます。

また、転職の場合は「以前の会社では年収○○円だったため、同程度を希望したい」と伝えるのもOKです。

「あなたが面接官だとしたら、自分のことを採用しますか?」

ちょっと意地悪に感じてしまう質問ですが、自信を持って「はい」と答えましょう。この質問ではあなたが会社の求める人物像として相応しく、いかに会社に必要な人材であるかをアピールするチャンスです。自分の強みや自分を採用したらどんなメリットがあるのかなどをまとめ、採用するに相応しい人材であることをアピールしましょう。

「苦手な人はいますか?」

ネガティブな質問に感じますが、この質問ではあなたに協調性があるのか、苦手な人に対してどう接しているのか、良好な関係を築くためにどのような努力ができるのかを知ろうとしています。

そのため、「苦手な人はいません」とだけ答えるよりも「私は○○な人が苦手です。理由は、○○だからです。ですが協力し合えるよう、このような工夫をしてきました。」などの答えが良いでしょう。苦手な人はどんな人なのか、その理由は何なのか、その苦手な人と良好な関係を築くためにどんな努力をしているのかを答えましょう。

「なぜ当社を志望したのですか?」

志望動機に関する質問は必ずされます。志望動機では「あなたの強み」「今後のキャリアプラン」「会社への理解度」「この会社の一員となって活躍したいという思い」を伝えることが大切。たとえば、「前職で培った○○という私の強みを活かし、○○である御社の一員となって○○の部分に貢献していきたいです。」といった流れで伝えると良いでしょう。

面接時の「逆質問」におけるNGとは

面接の最後に「何か質問はありますか?」と面接官から逆質問をされます。そのとき、遠慮して「いいえ、ありません」と答えるのはNG。熱意のない応募者だな…と思われてしまいます。

ただし、会社の公式HPなどを見ればわかるような質問もNG。「御社の企業理念は何ですか?」などと聞いてしまってはリサーチ不足がバレてしまうだけです。

そのほかにも、「美容師の仕事は初めてですが、未経験でも大丈夫でしょうか?」といったネガティブな質問も避けましょう。自信のなさが伝わってしまい、「採用して大丈夫だろうか…」と面接官も不安になってしまいます。

どんな質問ならOK?

逆質問では、あなたのやる気や責任感、協調性などをアピールするチャンス。たとえば「どのくらいの期間でどのようなステップを踏み、実務に入るのでしょうか?」や「前職では○○なお客様が多く、○○に気を使っておりました。御社では○○を重視していることもあり、○○を大切にしたいと考えているのですがいかがでしょうか?」などは応募者のやる気を感じます。

また、面接官を名指しして「○○様から見た御社の魅力ややりがいは何ですか?」などの質問も印象に残ります。

美容師の面接で答える長所と短所とは

面接では、「あなたの長所と短所を教えてください」という質問をされることが多いようです。この質問ではあなたがどんな性格なのか、自分を客観的に分析することができているかを知ろうとしています。

また、その職種や会社への適性もはかっています。まずは自分の良いところと改善すべきところを整理して把握するところから始めましょう。

美容師の面接で答える「長所」とは

面接で答える長所では、

  • 好奇心旺盛でさまざまなことにチャレンジしている
  • 負けず嫌いのためどんなことでも諦めずに最後までやり遂げている
  • 明るい性格であり、いつもポジティブ
  • 誰とでも仲良くなれ、協力し合える
  • トラブル時にも冷静かつ柔軟に対応できる

などが挙げられます。ポジティブな表現を用い、その長所がこれまでにどんな活き方をしたのかなども具体的に答えられると良いですね。

美容師の面接で答える「短所」とは

自分の短所はわかっていても人に教えるのは勇気がいるもの。自分の嫌いな点としてネガティブに伝えるのではなく、そのなかにもプラス要素を見つけましょう。面接で答える短所では

  • マイペースだがひとつひとつ丁寧に取り組める
  • 落ち込みやすい性格だが、いつも解決策を見つけている
  • 飽きやすい性格だが、夢中になったことはとことん突き詰める
  • 優柔不断で迷いやすいが、その分物事をじっくり見つめて分析できる

などが挙げられます。悪い点だけを伝えるのではなく、視点を変えてプラス要素も加えるということです。また、その短所を改善しようとしている場合、どんな努力をしているのかも伝えられると良いですね。

美容師の「長所」「短所」の回答例

  • 長所の回答例
    「私の長所は、誰とでも良好な関係が築けることです。前職の美容室では幅広い年齢層のお客様が来店されましたが、私はこの長所を活かし、どんなお客様にもご満足いただけるよう常に観察し、お客様のニーズを読み取っておりました。また、職場にはさまざまな性格の従業員がおりましたが、積極的にコミュニケーションをとり良好な関係を築いておりました。」
  • 短所の回答例
    「私の短所は些細なことを気にして落ち込んでしまうことです。ですがその短所に気づいてからは都度解決策を見いだし、試行錯誤して成長につなげてまいりました。また、些細なことに気づく点を長所と捉え、従業員やお客様のニーズを細かに読み取れるよう努めています。」

美容室での面接対策のまとめ

美容師の面接では、応募者の性格や適性などを見抜くためにさまざまな質問をおこないます。なかには難しい質問もあるかもしれませんが、事前にしっかり対策をし、自信を持って答えられるようにしましょう!