いつも笑顔でテキパキと、お客さまの髪を美しく整える美容師たち。華々しい職業という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、実は人間関係に悩みを抱える美容師は意外と多いのだとか。
ここではなぜ美容師が人間関係に悩みやすいのか、その原因を徹底解明。悩みやすい時期についても取り上げながら、具体的な対処法を解説していきます。
美容師が頭を抱える人間関係の悩みアレコレ
それではさっそく、美容師が人間関係に悩むシチュエーションや、その背景を解説していきます。
もちろん、美容師がずっと人間関係に苦しんでいるわけではありません。楽しさを感じる場面もありますので、合わせてまとめました!
人間関係がしんどい!と感じる瞬間
美容師という仕事は、上下関係がはっきりしやすいとされています。後述しますが、同じような仕事にあたりながらも肩書きが明確に分かれるため、先輩・後輩の力関係ができやすいのです。
また、どの職業にも共通することですが、美容師はみんなプロ意識を持って働いています。同じ職場で働く人に対して、仕事への価値観や考え方、姿勢に違いが見られると、モヤモヤを感じてしまうことも。
加えて、合わない人がいる職場では、コミュニケーションの悩みを感じてしまう可能性も。しかし接客業である以上、どうしても会話をしなければならない場面も出てくるため、苦痛を感じてしまう方はいらっしゃるようですね。
なぜ、美容師の人間関係はこじれてしまう?
そもそも、人として合う人、合わない人は必ずいます。しかし美容院は一般的な企業と比べれば狭い職場なので、どうしても合わない人が目についてしまうことに。
加えて、忙しい日や時間帯には、限られた時間の中でお客さま対応を進めていかなければなりません。タイトなスケジュールの中で余裕がなくなってくると、なかなかまわりに配慮できなくなるもの。
そういったすれ違いが重なることで、職場全体がギスギスしてしまう場合もあるようです。
もちろん楽しいときもある!
ここまで読むと「美容師は人間関係が悪くなる職業」だと思ってしまう方もいるのでは。しかしそんなことは断じてありません!
職場で働くスタッフ同士の相性がよければ、毎日楽しく仕事にあたれます。
環境が整った美容院では、オフの日もスタッフ同士で遊んだり、飲み会も頻繁に開かれたりと、仕事とプライベートの枠を越えた人間関係を築けることも。
しっかりとコミュニケーションが取れ、肩書きに関係なくお互いに言いたいことを言い合える関係性を保てれば、美容師はとてもやりがいのある仕事なのです。
美容院ではどんな人が働いている?
美容院の経営は、オーナーによって仕切られます。サロン内で一番上に立つ人なので、それ以下の人たちは基本オーナーに従うことになるでしょう。
美容院で働くスタッフの中でもっとも人数が多くなるのが、スタイリストです。お客さまのヘアカットやカラー、パーマまで全般的に対応できる、いわゆる“美容師さん”と呼ばれる立場の方々ですね。
スタイリストとして指名が増え、人気が出ると、サロンによってはトップスタイリストやサロンディレクターを名乗れる場合も。オーナーの右腕となってサロンを仕切る立場になることもあります。
アシスタントは、まだヘアカットは担当できない、いわば“見習い美容師”です。仕事中はスタイリストのサポートに回りつつ、シャンプーやドライヤーの補助などの役割を担います。
最後にレセプションは、美容院の受付や、接客を担当します。お客さまの予約管理や電話対応など、事務作業全般を担う人です。
いかがでしょうか。美容師と一口にいっても、これだけの肩書きがあるとご存じの方は少なかったのでは?
それぞれに役割があり、上下関係も発生しやすいのが事実ですが、できれば良好な人間関係を築いていきたいものですね。
美容師が人間関係に悩んだときの対処法
人間関係に悩んだら、どのように対処すればよいのでしょうか。
悩みすぎて心を病んでは元も子もありません。まずはこれから紹介する方法で、なにかしらの対策を打ってみてくださいね。
他人は変えられないことを認識する
人間関係に悩むと、どうしても相手に変わってほしいと思ってしまいがちです。「もう少し優しく教えてほしい」「態度を改めてほしい」「もっと真面目に仕事にあたってほしい」など。
しかし、人間関係を築く上では、「他人を変えようと思わないこと」がとても大切になります。
相手の言い方がきついと感じるなら、「こういう言い方をする人なんだ」と割り切り、教えてもらった内容のみを飲み込んでみてください。
仕事の態度が気に入らないなら、反面教師にして自分は精いっぱい働けばよいのです。
「いつか変わってくれるのでは」と他人に期待すればするほど、思うような結果が得られなかったとき、人は失望するもの。
相手を変えようと思わず、自分の感じ方や考え方を変えるだけでも、苦痛だった人間関係があまり気にならなくなることもありますよ。
信頼できる人に相談をする
人間関係の悩みはさまざまです。
同僚と合わない、先輩の言い方が怖い、後輩の態度が気になるなど。ときには、オーナーの方針に納得ができないという場合もあるかもしれません。
サロン内に誰か信頼できる人がいれば、一度相談してみてはいかがでしょうか。
人に相談することで、悩みが解消するというのはよくあるもの。自分では考えもしなかった解決策を教えてもらえたり、客観的な視点から意見をもらえたりと、第三者に相談することにはたくさんのメリットがあります。
もし相手も同じように感じていたとすれば、同じ悩みを持つ者同士さらに関係が深まる場合も。
具体的な解決につながらなかったとしても、職場に仲間がいるのは実に心強いものですよ。
とにかく下積み時代を乗り越える
見習い美容師であるアシスタント時代は、覚えることがたくさんあります。立場上も半人前で、まだヘアカットはできず、できる仕事はスタイリストの補助です。
加えて、業務後にはスタイリストになるために技術を磨いたり、先輩スタイリストに必要なことを教えてもらったりと、半人前とはいえ多忙なのも事実。
また、スタイリストとアシスタントとはいわば師匠と弟子という力関係です。先輩スタイリストが厳しい人であれば、ここでも人間関係に悩んでしまうことは充分考えられます。
しかし、スタイリストになるためには、この下積み時代を必ず乗り越えなければなりません。
「美容師になりたい」という気持ちが強いなら、人間関係の悩みは一旦置いておいて、ただ目の前のことに集中しましょう。
よい印象を持てない先輩がいるなら、その人を反面教師にすればよいのです。
自分がスタイリストになり、後輩を持ったとき、自分がしてほしかったように接してあげればよいと思いませんか?
アシスタントは多忙で、気遣いを求められる機会が多いのは事実です。しかし、それはまだ半人前の立場だからこそ。
一人前になって周囲を見返す気持ちで、いまは自分のスキルアップに努めてくださいね。
人間関係に悩んで美容師を諦めるのはもったいない!
上下関係がはっきりしやすい美容師の世界には、人間関係の悩みが伴いやすいもの。しかし、適切な対処法をあらかじめ知っていれば、悩みが大きくなる前に手を打つことができます。
大切なのは、自分は自分、人は人と割り切ること。
誠意を持って自分の仕事にあたっていれば、必ずやりがいを感じられるのが美容師という仕事です。
ときには仕事と割り切り、ときには信頼できる誰かに頼りながら、充実した美容師ライフを楽しんでくださいね。