2024.09.26 NEW

美容師の手荒れの原因とは?正しく対処して不快な症状を改善!

現在美容師をされている方にとって、手荒れは深刻な悩み事の一つなのではないでしょうか。シャンプーをしたり、パーマ液に触れたり、美容師の仕事をする上で手肌へのダメージは避けて通ることができません。しかし、自分の体質や手荒れの原因を知り、正しい対処をすれば手荒れは予防でき、荒れてしまった手肌の状態を回復させることも可能です。
今回は、手荒れの症状に悩む現役美容師の方に向けて、症状別のケア方法をはじめ、根本から手荒れ症状を改善する方法を紹介します。

美容師の手荒れの主な原因と症状

手荒れを防ぐために、まずは手荒れの根本原因から知っておきましょう。

【手荒れが起こるメカニズム】
そもそも手指の皮膚は、皮脂と水分が合わさった皮脂膜によって保護されています。
しかし、何らかの原因によってこの皮脂膜がはがれてしまうと、皮膚のバリア機能が失われてしまいます。
すると、バリア機能を失った角質層から水分が蒸発し、皮膚がカサカサになってしまうのです。
これが手荒れのメカニズムです。
皮脂膜がはがれる原因はさまざまですが、多くの場合、水仕事や冬場の気温変化が関係しています。
洗剤を使った水仕事を繰り返すうちに皮脂膜も一緒に洗い流されてしまったり、気温が下がることで血行不良や新陳代謝の低下を引き起こし、新しい皮脂膜が作られにくくなったりするのです。
そして、皮脂膜がはがれた状態で乾燥が進行すると、ひび割れやあかぎれになってしまいます。

【美容師の手荒れの原因】
手を酷使する職業に就く人にとって、手荒れは避けることのできない職業病です。
中でも水やお湯、薬剤に頻繁に触れている美容師は、一度手荒れを発症してしまうと、完治しにくいといわれています。
こうした悪循環に陥らないためには、手荒れを発症させないことが肝心です。
美容師の手荒れの原因は、以下の業務内容などにあります。

◆シャンプー◆
手荒れの経験がある美容師の多くは、美容師になって3カ月経たないうちに手荒れを発症しています。
入社3カ月といえば、ちょうどアシスタントスタッフの時期と重なります。
一日に何人ものお客様のシャンプーを担当した結果、お湯やシャンプーによって皮脂膜がはがれてしまう、ということが考えられます。
皮膚のバリア機能を失い、角質層の水分が失われると、多くの方がかさつきなど初期の手荒れ症状を発症します。

◆ドライヤー◆
ドライヤーの本来の目的は、お客様の髪を乾かすことですが、同時にドライヤーを使用する自分自身の手も乾燥させています。
皮脂膜がはがれ、角質層の水分が失われた手肌に温風を浴びせると、手肌の乾燥はさらに悪化します。

◆パーマ液、カラー剤◆
バリア機能である皮膚膜を失った手肌は、パーマ液やカラー剤などに含まれる化学物質のダメージをまともに受けてしまいます。
その結果さらに手荒れが悪化し、ひび割れた箇所に薬剤が染み込んで痛みを感じることもあります。
人によっては、特定の化学物質に肌がアレルギー反応を起こす場合もあります。

◆カット◆
金属アレルギーを起こしてしまい、ハサミに触れるたびにかゆみを感じるようになる人もいます。
他にも、パーマ液を使うときにはめるゴム手袋でアレルギー反応が起き、接触じんましんが出る人もいます。

◆アトピー性皮膚炎を発症した経験がある人は要注意◆
もともとアトピー性皮膚炎を発症している方は、皮膚のバリア機能が低くなっています。
そのため、手荒れを発症するリスクが比較的高く、重症化しやすい傾向にあるので注意が必要です。

手荒れの症状

ひと口に「手荒れ」といっても、症状はさまざまです。乾燥だけの場合もあれば、かゆみやひび割れなど、いくつかの症状を併発する場合もあります。ここでは代表的な手荒れ症状を紹介します。

◆乾燥◆
手の甲が粉をふく、指先がかさつくなどの症状が現れます。
悪化すると指紋が薄くなってしまうこともあります。

◆ひび割れ◆
手の指などに現れやすい症状です。
乾燥状態が続くと、ぱっくりと傷口が開いてしまうため、水やお湯、パーマ液などに触れるたびに染みて痛みを感じます。

◆湿疹、かゆみ◆
手荒れが酷くなると、手全体に赤い湿疹が現れて、ムズムズとかゆくなる手湿疹の状態になることもあります。
かきむしると症状が悪化します。

◆水泡◆
手湿疹の状態になると、湿疹の他に豆粒大の水疱が、手のひらや指の腹などに現れます。

◆皮膚のただれ、化膿◆
乾燥や湿疹が悪化した箇所をかきむしると、傷口にばい菌が入って化膿する恐れがあります。
また、長期間かき続けると、皮膚組織がボロボロになり、表面がただれた状態になってしまいます。

手荒れの正しい対処法とは

手荒れの症状が現れ始めたときや、これ以上症状を悪化させたくないときには、どのようなケアを行えばいいのでしょうか?正しい手荒れの対処法を紹介します。

◆手をしっかり洗う◆
シャンプーやカラー剤、パーマ液に触れた後、手に薬剤が付いたままにしておくと、化学物質が皮膚に浸透し、手荒れを悪化させてしまいます。その都度きれいに洗う習慣をつけましょう。また、手洗いをした後は、タオルで水分をしっかり拭き取ることも大切です。
手を濡れたままにしておくと、蒸発する際に皮膚の水分も一緒に奪われてしまうので、より乾燥します。

◆ハンドクリームでこまめにケア◆
手荒れの初期段階であれば、保湿だけでも手荒れ症状を改善することが可能です。
シャンプーなどの水仕事を行った後は、毎回ハンドクリームを塗ってこまめな保湿を心掛けましょう。

◆手袋を着用◆
水やお湯、化学物質による刺激から皮膚を守るため、なるべく手袋をつけるようにしましょう。
また、かゆみがある場合は、寝ている間にかきむしってしまう恐れがあるので、夜用の手袋も用意しておくと良いでしょう。
夜用の手袋はかきむしり防止だけでなく、手を温め、ハンドクリームの保湿効果を高めるのにも効果的です。

◆症状がひどいときの対処法◆
かゆみや痛みが我慢できない場合や、皮膚がただれたり化膿したりしている場合は、保湿だけで症状を抑えることができません。早急に皮膚科を受診し、治療しましょう。炎症を抑えるステロイド剤などが処方されます。

手荒れしにくい体質に改善するには

美容師である以上、ある程度の手荒れ予防はできても、手荒れの要因を全て排除することはできません。体の中から手荒れを根本的に改善する方法を紹介します。

★皮膚の修復のカギは「代謝機能」★
手荒れの一因は寒さによる血行不良や皮膚の新陳代謝の低下です。
つまり、代謝を良くして血の巡りを良くすれば、皮膚のバリア機能(皮脂膜)の再生スピードも早まり、結果的に手荒れ症状の改善が期待できます。

【体質改善の方法】
◆体内をデトックス◆
手荒れ改善のカギである血の巡りを良くするためには、血液と、血液の通り道である血管をデトックスなどによりきれいにする必要があります。
血流改善や乾燥肌に効果がある漢方薬の服用もおすすめです。

◆正しい食事◆
デトックスと同時に、体に害となるようなものを摂取しないこともポイントです。
労働時間が長く、生活も不規則になると、どうしても外食やインスタント食品を選んでしまいがちです。
こうした食品の中には食品添加物が多く含まれます。
レトルト食品やインスタント食品を過度に摂らないようにしましょう。

◆手荒れの改善に必要な栄養素を摂る◆
血の巡りを良くし、皮膚のバリア機能(皮脂膜)の再生スピードを上げるためには、皮膚の再生を助ける栄養素をたくさん摂取することも効果的です。
血流を良くする働きを持つビタミンEをはじめ、新陳代謝を整えるビタミンC、肌のコンディションを保つビタミンAなどを積極的に摂取しましょう。

手荒れ症状は、健康状態のバロメーター

手荒れは皮膚だけの問題ではなく、血行不良や代謝不良、栄養不足など、さまざまな要因が積み重なって発症します。
手を濡らしたままにしないことや、化学物質が含まれた薬剤には直接触れないように注意すると同時に、指先までしっかりと栄養が行き渡る健康な体づくりを心掛けて、体の中からも手荒れを改善していきましょう。

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