美容師のノルマとは
美容師業界も販売業や営業のように「ノルマ」が存在します。(ただし、内容・程度はサロンによって異なり、ノルマのないサロンもあります)本記事では、美容室におけるノルマの種類やメリット・デメリットといった詳細を紹介します。
美容師のノルマの内容
美容師に課せられるノルマは、大まかに分けて5つの種類に分類されます。
カットするお客様の数
カットノルマは、「ひと月にお客様○人分のカットを担当する」といった回数制のノルマです。アシスタントを卒業したスタイリストに課せられます。
なお、サロンは1日における来客数の変動が大きいため「1日○人」など日割りのノルマはめったになく、月割りで設定されるのが基本です。
ヘアモデルのカット数
アシスタントからスタイリストへの昇格条件として設けられるノルマです。「ヘアモデルを合計100人カットすると合格」などのように合計人数を目標とするほか、「月○人を連続で半年」という期間制で設定するサロンもあります。
モデルの人数だけでなく、ミディアム・ロングなど髪型別の人数を目標にするケースが最も多いノルマです。因みに、サロンによってはスタイリストへの定期ノルマとして課せることもあります。
ヘアケアや美容商品の販売個数
「シャンプーをお客様に○個販売する」など、シャンプー・トリートメントといった美容商品の販売数を目標とするノルマです。
シャンプーやトリートメントなどを販売するのは主にアシスタントの担当。シャンプーを行うのがアシスタントのため、サービス後におすすめして購入を促します。加えて、アシスタントはカット関係の業務で売り上げに貢献できないため、新人でも厳しめの目標数が課せられるケースもあります。
販売ノルマの課題は、アシスタントを卒業した後も終わるわけではなく、大抵のサロンではスタイリストにも販売目標があります。しかし、スタイリストへの昇格後はカット関係のノルマが増えるため、アシスタント時代よりも販売目標数が減ります。
指名客数
「指名してくれたお客様の人数」のみカウントするノルマです。カットノルマとは異なり、指名のないフリーのお客様は含みません。
ヘアーサロンはお客様のほとんどが新規のため、カットノルマに比べると導入数は非常に少ない傾向にあります。特に、リーズナブルさが売りのサロンでは新規のお客様を多く受け入れているため、指名客数ノルマは課せられないことが多いようです。
広告配布数
チラシやクーポンなど、「店先で配布する広告紙の枚数」を設定するノルマ。いわゆるビラ配りです。主にアシスタントへ課せられるノルマですが、お客様が少ないサロンではスタイリストにも割り当てられます。
ノルマがあるメリットやデメリットは?
ノルマがあるメリット
速く成長しやすい
ノルマを設けると、スタッフは目標達成のため業務に対して意欲的になります。そのため、よりスピーディにサロンを成長させることが可能です。また、積極的な行動を促すことで、各々の実力や才能を伸ばせます。
ノルマではなく、成長目標という考え方で取り組むことで、前向きな気持ちで取り組めるでしょう。
ノルマ達成でお給料アップ
ノルマ達成にお給料アップなどの報酬を付け加えることで、仕事の目標を数字(金額)という形で可視化できます。すると、努力・能力への評価が賞与として反映されるので、スタッフのモチベーション向上につながります。
モチベーションが上がると、おのずとスキルも上がります。お客様からうれしいお言葉をいただくこともあるかもしれません。
全体での目標があれば一体感が生まれる
「ノルマ」という分かりやすい目安を設けることで、チーム全体の目標が数字として明確になります。すると、ノルマを達成しようという気持ちが出てくるため、一体感が生まれます。スタッフ同士の連携が取れているサロンなら、売り上げアップにもつながるでしょう。
ノルマがあるデメリット
お客様から避けられる
厳しい数値を設定すると、ノルマ達成のために強引に販売を促す美容師も出てくるでしょう。数字を達成しないといけないプレッシャーからホスピタリティが下がり、「販促目的の接客」になってしまうリスクがあります。
過剰なセールスは、お客様にとっては迷惑になることも。指名が取れなくなるのはもちろん、最悪の場合はサロンから足が遠のいてしまい、結果としてお店全体の評判や売り上げを落とすことにもなりかねません。
職場の雰囲気が悪くなる
指名ノルマの設定は、職員同士によりお客様の取り合いが起こりやすくなります。さらに、ノルマを達成している人・していない人の間に格差ができるため、各々の関係にヒビが入るリスクもあるでしょう。
情緒的なマイナス要素が重なると、職場の雰囲気は段々と悪くなってしまい、モチベーションやサロンイメージの低下を招いてしまいます。
仕事に対するモチベーションが下がる
過剰なノルマ設定は、強引な美容商品のセールスや、必要のないシャンプー・トリートメントなどのサービスなど、ノルマ達成を目的とした業務が増えてしまいます。すると、スタッフが自己嫌悪に陥ってモチベーションが低下してしまい、仕事への意欲がなくなる恐れがあるのです。
仕事に対するモチベーションの低下は、サロンやスタッフの成長を阻害しかねません。サロンの成長や売り上げの向上を目的としたノルマが、却って経営を悪化させる可能性があります。ノルマは、一方的に数字を課すのではなく、美容師一人ひとりの課題ややる気を汲み取ったうえで設定することが求められます。
ノルマを設けていない美容室もある
全ての美容室がノルマを設けているわけではありません。以下にあげる3つの理由から、ノルマを課さないというケースもあるのです。
ノルマがなくてもいいくらい人気のため
ノルマが設けられる理由は「事業成長・売り上げ向上」のため。逆に言えば、人気のサロンは売り上げも好調ですからノルマを課して売り上げ目標を達成する必要がありません。
また、人気の美容室になればお客様のほうからおのずと、使用しているシャンプーやコンディショナーといった商品を購入したいと言われることもあります。無理に販売しなくても良いため、ノルマを作る必要もないわけです。
グループのイメージアップのため
多数の店舗展開をしている美容室では、美容師離れを防ぐ一環としてノルマを撤廃しています。厳しいノルマに悩まされた美容師であれば、ノルマなしの美容室は魅力的にうつるため、人手不足解消につながります。実際に働くなかでも、ノルマがないことでお客様への施術や接客に集中できます。
また、お客様からしても強引に購入を促すような接客をされなくて済むメリットがあります。すると、美容室に対するイメージが良くなり、リピーターになってくれる確率が上がるのです。
オーナーによるこだわりのため
オーナーの多くは、サロン勤務の下積みを経たうえで独立しています。勤務時代にノルマ関係で苦い経験をしたオーナーも多く、「自分のサロンではノルマを課さない」というこだわりを持つ方もいます。
ノルマなしのサロンへの転職するのも1つの手
ノルマを設定していないサロンは、求人において「ノルマなし」という条件を提示しています。今働いている美容室やサロンのノルマがつらいと感じているときは、まず「ノルマなし」を条件に美容師の求人情報を探してみましょう。そこから、給与や福利厚生、勤務地などの条件で絞っていくと、希望する条件のサロンが見つかるはずです。
ヘアーサロンイワサキはノルマのないサロン
ヘアーサロンイワサキでは、お客様のご要望で指名を導入している店舗もありますが、ノルマは設けていません。
そのため、気持ち的なプレッシャーもなくお客さまに集中して施術できる環境です。また、研修は営業時間内に空いている時間を見つけて行うことが多いので残業して研修を行うことはありません。
ノルマのないサロンへの転職をお考えの方は、ぜひともヘアーサロンイワサキを検討してください。ご応募お待ちしております。