2025.08.15 NEW

美容室のデジタル化とは?業務を支える仕組みと現場の変化

美容室の業務にも少しずつデジタルの仕組みが取り入れられています。予約・カルテ・会計など、実際の現場ではどのように使われているのでしょうか。この記事では、美容師業界で進むデジタル化の実例と、業務に与える変化について紹介します。

美容室でも進む「予約管理」のデジタル化

大手ポータルサイトを利用して予約を受け付けている美容室も多くありますが、近年では、自店専用の予約システムを導入する動きも増えています。ここでは、自店で管理する予約システムに焦点を当てて紹介します。

24時間受付に対応したオンライン予約機能

オンライン予約システムは、営業時間外でも予約を受け付けられるフォームやページを用意でき、スマートフォンやPCからアクセス可能です。お客様は自分の都合に合わせて申し込めるため、取りこぼしを防ぎやすくなります。

多くのシステムでは予約ページのURLをSNSや公式サイトに掲載できるため、LINEやInstagramと連携して導線を作るケースもあります。また、日時の変更やキャンセルもオンライン上で完結できるため、スケジュール調整がしやすく、お客様にとってもストレスが少ない設計です。こうした手軽さは、再来店を後押しする要因にもなるでしょう。

メニュー・担当者・時間帯など細かな設定

メニューごとの所要時間や、対応できるスタッフ・設備などを細かく設定できるのがポイントです。施術内容に合わせて予約枠の長さを変えられるため、当日の流れも円滑になります。また、「カット+カラー」のようなセットメニューや、個室を使いたいメニューにも柔軟に対応できます。特定のスタッフしか対応できない施術はあらかじめ制限をかけておくことで、無理のない予約が組めるでしょう。

スタッフのシフトや店舗の営業日と自動連携

予約状況とスタッフの出勤スケジュールを連動させることで、無理な予約の受付やダブルブッキングを防止する機能もあります。システム上での空き状況の確認も簡単です。

管理画面からリアルタイムにシフト調整できる機能もあり、急な休みや変更にも対応しやすいのが特徴です。複数店舗をまたぐ場合でも、全体の稼働状況を見ながら運営計画が立てられます。

お客様への自動通知・リマインド送信

来店前にメールやSMSで自動的にお知らせを送ることで、予約の確認漏れやキャンセルの予防にもつながります。送信のタイミングや文面はカスタマイズできるため、店舗ごとのスタイルや接客方針に合わせて調整できます。

「前日に通知」「当日の朝に再通知」など、複数回に分けた通知設定も可能。メッセージ内にアクセス情報や注意事項を記載すれば、来店前の不安解消にも役立てられます。

顧客対応のばらつきを減らす「デジタルカルテ」の活用

サロン内での「情報の共有」をより正確かつ効率的に行うために、デジタルカルテが活用されています。ここからは、カルテ管理の具体的な方法とそのメリットを紹介します。

カルテや履歴をクラウドで一元管理

美容室向けの電子カルテでは、顧客の基本情報や施術履歴、使用薬剤などをクラウド上にまとめて管理できます。情報が一つに集約されていることで、スタッフ間の共有がしやすくなり、引き継ぎ時の確認漏れも防ぎやすいでしょう。

また、アレルギーや注意事項といった項目も記録できるため、施術の安全性の向上にもつながります。紙と異なり、データが一か所に集約されるので管理場所が不要な点や必要な時に検索してすぐに見つけられるのもメリットです。

スマホやタブレットでいつでも確認・入力

施術中でも、その場で履歴の確認やスタイル写真の撮影・保存が行えるため、接客を中断せずに対応できます。記録はタブレットやスマートフォンで操作でき、メモ入力や画像保存もスムーズです。タッチ操作中心の設計になっていることが多いので、ITに不慣れなスタッフでも扱いやすいでしょう。

また、お客様と一緒に画面を見ながら相談できることで、カウンセリングの質も高められます。やり取りがしやすくなることで、施術内容の再現性や満足度の向上にもつながるでしょう。

キャッシュレス決済で変わる美容室の会計まわり

美容室でもキャッシュレス決済を取り入れるお店が増えてきました。ここでは、キャッシュレス決済が接客や店舗運営にどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。

多様化する支払いスタイル

カット後の会計時、スマートフォンをかざすだけで決済が完了するQRコード決済は、若いお客様を中心に定着しています。一方で、交通系ICカードやクレジットカードを希望される方も多く、年齢層やライフスタイルによってニーズはさまざまです。

そのため、美容室でも複数の端末を導入し、支払い方法を選べるようにする店舗が増えています。現金を持たずに来店される方も少なくなく、会計時の選択肢があることで、お客様にも安心して利用してもらいやすくなります。

接客・会計がスムーズになるメリット

現金の受け渡しがなくなることで、混雑時や次のお客様が待っている場面でも、スムーズに会計を済ませられます。また、非接触決済は感染症対策としても有効で、お客様の心理的ハードルを下げる効果も。

さらに会計データが自動で記録されることで売上管理も効率化され、ヒューマンエラーや計算ミスの防止にもつながります。

AIや自動化の技術が現場でも身近に

AIや自動化の技術は、いまや美容室のさまざまな場面に入り込み始めています。ここでは、実際に導入が進んでいる予約対応や在庫管理のシーンを中心に、その活用方法を紹介します。

チャットボットで予約対応がスムーズに

チャットボットとは、事前に設定した内容に沿って、ユーザーのメッセージに自動で返答する会話型のツールです。美容室では、営業時間外の予約受付やキャンセル対応などに活用されており、LINEなどのSNSと連携した導入が進んでいます。

一般的な予約フォームと異なり、「明日の空き時間を知りたい」などの入力にも自然な流れで応答でき、操作に慣れていない方でも使いやすいのが特徴です。やり取りの履歴も自動で保存されるため、予約内容の確認や伝達漏れの防止にも役立ちます。お客様にとっても、気を遣わずに質問・予約ができる方法として定着しつつあります。

AIによるヘアスタイルシミュレーション

AIヘアスタイルシミュレーションは、来店客の顔写真やカメラ映像をもとに、髪型やカラーをバーチャルで試せるツールです。顔の輪郭やパーツをAIが自動で認識し、リアルに仕上がりを再現します。施術前にイメージを共有できるため、「思っていたのと違う」といったギャップを減らせるのがメリットです。

カウンセリングのサポートはもちろん、SNS用の画像生成やスタイル提案の幅出しにも役立つため、接客の質や提案力を高めたいサロンに向いています。

美容室におけるデジタル化のメリットと注意点

予約やカルテの電子化、キャッシュレス対応など、美容室の現場でもデジタル化が進んでいます。ここでは、導入によって得られる効果と、注意しておきたいポイントを紹介します。

日々の業務に余裕が生まれる

予約やカルテの管理をシステム化することで、紙の記録や電話対応にかかっていた時間が削減。スタッフ間の情報共有も滞りなく行え、施術に集中できる時間が増えるでしょう。業務が整理されることで、確認ミスやバタつきも少なくなり、接客の質も上がるでしょう。

新人スタッフへの引き継ぎや教育がしやすくなるため、運営の安定化にもつながります。特に複数のスタッフが入れ替わるシフト制のサロンでは、カルテの見落としや伝達漏れを防ぎ、誰が対応しても一定のサービス品質を保ちやすくなるのが大きなメリットです。

導入初期の負担には備えが必要

システム導入には、初期費用や操作の習得など、一定の負担が伴います。特に小規模店舗では「慣れるまでが大変そう」と不安に感じることも少なくありません。

しかし最近では、スマートフォン感覚で使えるツールや、導入サポートが充実したサービスも登場しており、段階的な導入も可能です。また、自治体の補助制度を活用することで、コスト面の負担を軽減できるケースもあります。

なお、予約管理だけを導入するなど、自店舗の規模や業務内容に合わせて、必要な機能から少しずつ取り入れていく方法もあります。

まとめ

美容室の現場では、予約管理やカルテ、会計業務などの効率化に向けて、デジタル化が少しずつ進んでいます。例えば、24時間対応のオンライン予約や、施術中でも使いやすい電子カルテの導入によって、顧客対応の質が向上。さらに、AIや自動化技術の活用によって、スタッフの負担軽減にもつながっています。

もちろん、導入初期には費用や操作習得といった準備が必要になる場合もありますが、段階的な導入や自治体の補助制度などを活用すれば、無理なく取り組むことも可能です。

一方で、すべてのサロンが一斉に最新技術を導入しているわけではありません。店舗の規模や来店スタイルに合わせて、アナログな方法やシンプルな運営体制を大切にするサロンもあります。

ヘアーサロンイワサキでは、予約不要で立ち寄れる仕組みや、順番受付機の導入など、現場に合った形で効率化を図っています。また、動画マニュアルによる研修制度や、時短勤務・ブランク歓迎といった柔軟な働き方の整備にも力を入れており、無理なく続けられる環境づくりを重視しています。

自分らしい働き方を大切にしたい方や安定して長く働けるサロンを探している方は、ぜひ求人情報もチェックしてみてください。

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