社会人から美容師を目指すのは遅いかも…」と不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、諦める必要はありません。近年では社会人から美容師に転身する方が増えており、働きながら資格取得を目指せる環境も整っています。
この記事では、夜間課程や通信課程といった学び方の違い、必要な学費、資格取得までの流れ、公的支援制度などを丁寧にご紹介。自分に合ったスタイルで、美容師への一歩を踏み出してみませんか。
Index
社会人が美容師を目指すには?2つのルートを比較
社会人が美容師を目指すには、「夜間課程」と「通信課程」という2つの主なルートがあります。どちらも働きながら学べる点が特徴ですが、学習スタイルや通学頻度、学費などに違いがあるため、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
夜間課程とは?仕事と通学を両立する学習スタイル
夜間課程では、日中に仕事をしながら、夕方以降に専門学校で授業を受けます。修業期間は2〜2.5年が一般的で、直接指導を受けながら技術を習得できるのがメリットです。クラスメイトとの交流や、継続的な実技指導を重視したい方に適しています。
通信課程とは?自分のペースで学べる柔軟な学習スタイル
通信課程は、自宅でのレポート学習と年数回のスクーリング(対面授業)で構成されており、より柔軟なスケジュールで学べる点が特徴です。自律的に学習を進められる人に向いています。学費も比較的抑えられており、すでに美容室で働いている方にも適しています。
夜間・通信課程の学費は?相場と費用感を把握しよう
美容師を目指すうえで、学費は大きな検討材料です。
美容師を目指す上で、学費は多くの人が気になる重要な要素です。夜間課程と通信課程では、費用の目安や負担のしかたが異なります。
ここでは、それぞれの課程の学費相場に加え、国家試験にかかる費用や支払い方法についても紹介します。
夜間課程の学費相場
夜間課程の学費は、入学金や授業料、施設費、教材費などを含めて、合計で150万~200万円前後が目安です。例えば、東京ビューティーアート専門学校の夜間部では、初年度納入金が約120万円とされており、これに加えて2年目の学費や教材・道具代なども必要です。(※2025年6月時点の情報。最新情報は各学校の公式サイトをご確認ください)
また、夜間課程は2~2.5年の修業期間のため、日中の仕事と両立しながら比較的短期間で美容師免許の取得を目指せる点もメリットです。
通信課程の学費相場
通信課程は、夜間課程に比べて学費が抑えられる傾向にあり、おおむね50万~70万円前後が一般的です。例えば、日本美容専門学校(NICHIBI)の通信科では、3年間の学費総額が約66~67万円となっており、教材費やスクーリング費用も含まれています。(※2025年6月時点の情報。最新情報は各学校の公式サイトをご確認ください)
通信課程では自宅でのレポート学習が中心で、サロン勤務の有無によって通学回数が変わります。自分のペースで進めたい方にとって、学費と柔軟性のバランスが取りやすいでしょう。
その他の費用と支払い方法
学費とは別に、入学時にはハサミやウィッグなどの道具購入費、各種教材費も発生します。これらは学校によって差がありますが、数万円から十数万円の追加出費を見込んでおきましょう。
また、多くの美容専門学校では、分割払いや年次ごとの支払い設計が可能です。初年度にまとまった金額が必要になる場合と、年間を通じて均等に支払うパターンがあるため、事前に募集要項や納入スケジュールを確認しておきましょう。
さらに、卒業後に受験する美容師国家試験の受験料として、筆記試験と実技試験を合わせて約25,000円前後かかります(理容師美容師試験研修センター発表)。進学・受験に向けて、必要な経費をあらかじめ把握しておくことが大切です。
美容師資格取得までのステップを確認
社会人が美容師を目指すには、計画的にステップを踏むことが大切です。ここでは、資格取得までの一般的な流れを5つのステップに分けて紹介します。
ステップ1: 資料請求・情報収集
美容専門学校のWebサイトを見たり、資料を取り寄せたりして、課程の内容や学費、支援制度などを確認しましょう。オープンキャンパスや説明会への参加もおすすめです。
ステップ2: 入学手続き(社会人枠や入学時期に注意)
入学願書の提出や、社会人向け特別枠の確認など、必要な手続きを進めます。
ステップ3: 授業・実技・スクーリングの受講
- 夜間課程:18時以降に授業を受け、通学で技術と理論を学びます。
- 通信課程:自宅学習とスクーリング(対面授業)を組み合わせて進行します。従事者は300時間以上、非従事者は600時間以上の対面指導が必要です。
ステップ4: 国家試験の受験
所定の課程を修了すると、春と秋に実施される国家試験に挑戦できます。
ステップ5: 免許登録・申請
合格後は、美容師免許の申請を行い、正式に美容師として働く準備が整います。
教育訓練給付金などの公的支援制度を活用しよう
「学費がネック…」と感じる方は少なくありません。そんな方にぜひ知ってほしいのが、公的支援制度の存在です。ここでは、専門実践教育訓練給付金やその他の制度などについてご紹介します。
教育訓練給付金の活用法とは?
「専門実践教育訓練給付金」は、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講し、修了した際に、支払った教育訓練経費の一定割合が支給される制度です。指定されていないと給付されないため、事前に確認しましょう。
受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、さらに資格取得や就職などの条件を満たすと、最大70%(年間上限56万円)まで支給額が増加。また、令和6年10月以降に受講を開始し、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合は、最大80%(年間上限64万円)まで支給されます。
また、この制度を使うには、雇用保険の加入期間が原則3年以上あることが条件です。
申請手続きの流れ
給付金を受け取るためには、以下の手続きが必要です。
1. 訓練前キャリアコンサルティングの受講:ハローワークでキャリアコンサルティングを受け、「ジョブ・カード」の交付を受けます。
2. 受給資格確認の申請:受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認の手続きを行います。
3. 受講と支給申請:受講中は6か月ごとに支給申請を行い、修了後には追加支給の申請を行います。
最新情報や詳細な手続きについては、ハローワークの公式サイトで確認しましょう。
その他の支援制度
教育訓練給付金以外にも、以下のような公的支援制度があります。
・奨学金制度:日本学生支援機構(JASSO)などが提供する奨学金制度を利用することで、学費の一部を補助することが可能です。
・国の教育ローン:日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」は、低金利で学費を借り入れることができる制度です。
・税制優遇制度:特定の条件を満たす場合、所得税や住民税の控除が受けられる制度もあります。
これらの制度を組み合わせて活用することで、経済的な負担を軽減しながら、美容師への道を進むことができます。
働きながら免許を取得したスタッフの声
働きながら通信で美容師免許を取得(店長 Mさん)
高校在学中にイワサキのサロンを見学し、先輩たちの姿に憧れて入社を決意したMさん。卒業後はアシスタントとして勤務を始め、働きながら通信課程で美容師免許を取得しました。現場では先輩から丁寧な技術指導を受け、資格取得と同時にスタイリストとしてデビュー。現在は8店舗を統括する店長として活躍しています。イワサキには、定年はなく、長く働ける環境が整っており、Mさんは「好きな仕事を生涯続けたい」と語っています。
まとめ|自分に合ったルートで一歩を踏み出そう
社会人から美容師を目指すには、夜間課程と通信課程のいずれかを選び、自分のライフスタイルに合った方法で学ぶことが大切です。通学のしやすさや学習のペース、学費の違いなど、事前に情報を整理して検討しましょう。また、教育訓練給付金などの公的支援制度を活用すれば、学費の負担を軽減することも可能です。
ヘアーサロンイワサキでは、実際に働きながら通信課程で免許を取得したスタッフも在籍しています。美容師を目指す方は、ぜひ自分らしい一歩を踏み出してください。まずは気になる美容専門学校のWebサイトを検索、そして資料請求から始めてみましょう。