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美容師が使用しているハサミの種類を紹介
ハサミの刃の形
直刃(すぐは)
直刃のハサミは汎用性が高く、様々な用途に使えることから、多くの美容師からメインシザーとして利用されています。また、毛を逃さずに確実に切れて使い勝手も良いので、初めてハサミを買う方にはおすすめです。
笹刃(ささば)
笹の葉にカタチの似た刃で、切っ先に向かって毛束が逃げるのでスライドカット用として使用されることが多い刃のタイプです。
柳刃(やなぎば)
直刃と笹刃の中間のようなハサミで、ベースカットと毛量調整のどちらにも使えるハサミです。ブラントカットやストロークカット、スライドカットで使いますが、髪の逃げ具合は、笹刃の方が大きいと言われています。
櫛刃(くしば)
クシのようにギザギザが付いている刃です。棒刃と組み合わさっていて、髪の量を調整することができるセニングシザーに用いられます。棒刃の形や本数などによって、切れる量が変わります。
ハンドルの種類
メガネ
最もベーシックなハンドルとされシンプルな形で安定性が高く、扱いやすい形状です。裏返しても使うことができるので、テクニカルなカットでも自由度が高く、いろいろなカット技法がしやすいハサミとも言われています。
オフセット
持ちやすい構造になっているので、指を大きく開けなくても開閉ができ静刃が安定しています。手の小さい人や腱鞘炎の人、開閉が多い刈り上げの時などに使いやすい形状です。また、持ちやすいため不器用な人や初心者向けのハサミとも言われています。
3D
人体工学に基づいて設計された指にフィットするハサミです。ハンドルが少しねじれていて、指にフィットするように作られているので、オフセットよりもさらに持ちやすく、長時間お使っていても手が疲れにくいハサミと言われています。

美容師が使用しているハサミのブランドをピックアップ
ジョーウェル
東光舎は、創業1917年に医療用ハサミから事業を開始したメーカー。理美容用のハサミは1921年から販売を開始し、今では世界50か国以上の国で販売されるグローバルブランドに。カット用のスタンダードなハサミだけでなく、セニングシザー、左利き用シザーなども販売。また、東光舎ではジョーウェル以外のブランドも取り扱っています。
ナルトシザー
1963年に創業した理美容ハサミ専門ブランド。職人が丁寧に作り上げているため、よく切れるのに柔らかいと評判です。テレビドラマ「ビューティフルライフ」で美容師役の木村拓哉さんが使用していたのもナルトシザー。憧れて持ち始めた方もいるでしょう。価格は高額の部類に入りますが、その分手になじみ使いやすいハサミです。
グリーンマウス(GREEN MOUSE)
MADE IN JAPANをテーマに、全てのハサミを日本国内で製造・加工しています。オーダーが入ってから、一丁一丁に時間をかけて造り込んでいくスタイルが特徴。創業以来、そのスタイルを変えずに貫いているメーカーです。
ルミエール(Lumiere)
大阪の美容師達に人気のメーカーです。特許を取得しているフレックスハンドルにより、腱鞘炎や肩こりの軽減が期待できるのが最大の特徴でしょう。もちろん、シザーとしての使いやすさと切れ味も備えています。疲れにくい・使いやすい・切りやすいと三拍子そろっています。
ハサミのお手入れの仕方

普通のハサミでも美容室で使っているハサミでも、使えば使うほど切れ味は落ちてきます。これは、刃こぼれや汚れなどが原因と言われています。
慣れてしまえば2~3分程度でできる簡単なお手入れを欠かさないだけでも、ハサミの持ちは変わってきます。カット用のハサミは、ふつうのハサミと比べると高価です。また、お気に入りのハサミは、可能な限り長く使用したくなるものです。毎日のお手入れで、愛用のハサミを長持ちさせましょう。
日々のハサミのお手入れ方法
お客様に満足して頂ける施術をするために、ハサミは常に手入れをして適切に使用できるようにしておく必要があります。ここでは、ご自身でできるお手入れ方法を説明。カットシザーは、普通のハサミよりも刃が良く切れるので、指を切らないようゆっくり丁寧にお手入れをしましょう。
用意するもの
先ず、ハサミのお手入れを始める前に、手入れ用の道具を用意しましょう。必要な基本的アイテムは、ハサミ用セーム革、オイル、ティッシュペーパーか柔らかい布です。
セーム革を持っていない方は、ネット通販でも購入可能です。ハサミ購入時に付いてくることもあります。セーム革には天然物と人工革があります。天然のセーム革はキメの細かさが特徴です。汚れを良く取り除いてくれるでしょう。人工のセーム革は、柔らかく使いやすいのが特徴です。使い込んでもボロボロになりにくいと言われています。使ってみて、自分が使いやすい方を使いましょう。
汚れを落とします
ティッシュペーパーやハサミ用のセーム革で、ハサミに付いている汚れやスタイリング剤をしっかりと拭き取ります。スタイリング剤がこびりついている場合は、熱いお湯を使うことでスタイリング剤の油分が落ちやすくなります。
汚れだけでなく、カットした際に残ってしまった髪の毛も取り除きましょう。ネジの部分や刃が重なる場所などに入り込んでいることがあるので、手を切らないように気を付けながら掃除します。
セニングシザーの棒刃部分はカットシザーと同様に手入れをします。櫛刃の部分は、髪の毛が入りこむと手入れしにくいので、お湯で洗い流しながら歯ブラシなどで掻き出しましょう。
汚れが取れたらティッシュペーパーや柔らかい布などで水分を丁寧に拭き取ります。
オイルを注します
サビを防ぎ、開閉をスムーズにするためにオイルを注します。
ハサミの刃を開いた状態で、触点部分やネジ下部分へとオイルを1~2滴程度注します。あまり注し過ぎてしまうと切った髪が張り付いてしまう恐れがあるので量に注意です。慣れないという方はプッシュ式やスプレー式のオイルを使うといいでしょう。
刃の接触部分にオイルを注したら、ネジ部にも1滴、そしてハサミをひっくり返して刃の裏側の裏スキ部分にも同様にオイルを注します。
最後に、全体にオイルが行き渡るようになじませながら、きれいなティッシュや柔らかい布で拭き取ります。このとき、余分なオイルが残ったままにならないように、しっかりと拭き取るようにしてください。
セーム革で刃を拭く
オイルを指したらセーム革で拭きます。この時使用するセーム革は、きれいなものを使いましょう。セーム革を2、3枚に折り畳んで、刃の先端に巻き付けるように親指と人差し指で刃の先端をつまみ、セーム革を持っている手を動かさずに、ハサミの刃のほうをゆっくりと引きながら刃元から刃先に向かって刃を拭きます。数回くりかえしたら、反対側も同様に拭きます。
刃の返り部分の汚れや余分な油分が取れることで、よく切れるようになります。ここまでのお手入れをしても切れ味が戻らないときは、刃を研ぐ必要があるかもしれません。
ネジの確認
ネジが緩んでしまっては、ハサミの切れ味を最大に活かしきれません。最適なネジの状態を知っておくのはもちろん、日々の手入れでも調整しましょう。刃先を上にして1cm程度開き、その状態をキープして刃先が全く動かなければネジを締めすぎて、だらんと開くようであれば緩すぎです。
オイルを注す際にはネジが緩みやすいので、ネジの確認は最後にするといいでしょう。緩すぎず締めすぎずが重要ですが、好みのかたさに調整しながらベストポジションを見極めてください。ネジが緩むと髪がハサミん絡んだり、逃げたりして上手くカットできません。お客さんにとっても良くないため、ハサミの手入れは欠かさず行いましょう。
一般的になじんでくるとネジは簡単には緩まないものなのですが、使っていくうちにハサミの刃が減り、ネジが緩くなる場合があります。このようなときはハサミ屋さんに相談しましょう。
使用中や保管にも気配りを
ハサミが傷む原因に落下があります。ハサミが床に落ちた場合、最悪のケースでは刃がかけたりして使い物にならなくなってしまうことも。決して安くないものですから大事に扱いましょう。施術中はシザーバッグにきちんとしまうクセを付けて、落とさないように心がけてくださいね。
また、ぶつけてしまうのも刃こぼれなどの原因です。アシスタントがハサミなどを用意してくれる美容院もあると思いますが、お互いがぶつからないようにも気を配りたいですね。
ハサミ同士がぶつかるような場所には保管しないようにしましょう。1本ずつ置いておける平たい保管場所がベストです。保管時は刃をしっかりと閉じ、他のハサミと重ならないようにしてください。

長持ちさせるメンテナンス
ご自身でできる日常のお手入れも大切ですが、切れ味が悪くなる原因には、裏スキのゆがみのように専用の測定器でなければ発見できないようなケースもあります。自分の目では発見するのが難しい原因もあるのです。
使用頻度にもよりますが、やはり3ヶ月から半年に1回は、専門のシザー業者で定期的にメンテナンス・研ぎを行ったほうがよいでしょう。
美容師用ハサミは、適切なお手入れを行うことで、長く愛用することができます。日頃から丁寧にお手入れを行い、常に最高のパフォーマンスを発揮できる状態を保ちましょう。
ヘアーサロンイワサキでは先輩社員がお手入れ方法を指導

ハサミは美容師の命。大切に使いたいけど、スタイリストを目指しながら働く美容師アシスタントは雑務も多くハサミを使うのも練習の時だけ。細かなお手入れのコツを知りたいと思う方もいるでしょう。研修が充実しているヘアーサロンイワサキなら、お手入れ方法は先輩社員が丁寧に教えてくれますので心配ありません。