2024.11.13 NEW

【2024年版】美容師の平均年収ランキング|地域・年代別に解説 

美容師の年収は、地域や役職、経験年数によって大きく異なります。本記事では、地域別や年代別の美容師の年収を詳しく解説します。 

全産業と美容師の平均年収 

厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」(2023年)によると、全産業の平均賃金は381.96万円となります。また、美容師の平均年収は、令和5年賃金構造基本統計調査の結果から379.7万円とされています。 

  • 美容師の平均年収:379.7万円※1 
  • 全産業平均年収:約381.96万円※2 

美容師の年収は、全産業の平均とほぼ同水準にあり、大きな差はありません。 

※1 令和5年賃金構造基本統計調査|一般労働者|職種 

※2 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|結果の概要【pdf】 

美容師の地域別平均年収ランキング 

厚生労働省が発表している令和5年賃金構造基本統計調査の都道府県別のデータをもとに、美容師の地域別平均年収をランキングしました。 

※きまって支給する現金給与額を12倍して算出 

  1. 愛知:446.88万円
  2. 東京:426.6万円
  3. 滋賀:406.44万円
  4. 神奈川 391.68万円
  5. 岡山:390.72万円
  6. 山梨:390.0万円
  7. 熊本:374.4万円
  8. 長崎:371.28万円
  9. 栃木:367.8万円
  10. 大阪:363.36万円

※3 令和5年賃金構造基本統計調査|地域別 

美容師の年収は地域によって大きく異なり、特に地方都市でも高収入が得られるケースが見られます。愛知県が最も高く、都市部だけでなく地方でも需要が高ければ高い年収が期待できるでしょう。また、地域ごとの生活コストや経済状況も年収に影響しているため、働く場所を選ぶ際にはこうした要素も考慮することが大切です。さらに、この結果をもとに深掘りしていきましょう。 

地域による美容師の年収差 

最も高いのは愛知県で約447万円です。一方で、大阪府は約363万円で、ランキングの10位に位置します。トップと10位の差は約83万円となり、地域によって大きな年収差があることが分かります。 

大都市圏が上位にランクイン 

東京(426.6万円)、神奈川(391.7万円)、大阪(363.4万円)といった大都市圏が上位にランクインしています。大都市圏では美容師の需要が高く、生活コストも高いため、比較的高い給与水準が設定されていると推測できます。 

地方都市でも高収入の例がある 

愛知県や滋賀県といった地方都市が上位に位置しているのが特徴です。これらの地域は比較的地方ではありますが、経済が活発で美容師の需要も高いことが、高い年収に反映されていると考えられます。特に愛知県がトップに位置するのは注目に値します。 

中堅都市でも安定した収入 

岡山(390.7万円)、山梨(390.0万円)、熊本(374.4万円)、長崎(371.3万円)といった中堅都市も上位に入っています。これらの地域では美容師の競争が少ない一方で、安定した需要があるため、都市部に負けない収入が得られていることがうかがえるでしょう。 

地域ごとの生活コストや物価の影響 

年収の差は、地域ごとの生活コストや物価にも影響していると考えられます。例えば、東京や神奈川のような大都市圏では生活コストが高い分、年収も高めに設定されている傾向が見られますが、愛知や滋賀のような地方でも高い年収が得られる地域があることが興味深いです。 

男女別の平均所得 

厚生労働省が実施した「令和5年賃金構造基本統計調査」から、「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」をもとに年収を算出しました。 

結果、男性美容師の平均年収は約500.3万円、女性美容師は約369.6万円です。 

  • 男性美容師:約500.3万円 
  • 女性美容師:約369.6万円 

また、月収と賞与の内訳も男女で差があります。 

※4 厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査 

年収と賞与の内訳 

男女それぞれの月収は下記のようになっています。 

 きまって支給する現金与額 年間賞与その他特別給与額 
 40.25 万円 17.29 万円 
 29.24 万円 18.76 万円 

※5 厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査 

基本給や所定内給与額において男性の方が高いのが現状のため、総合的に男性美容師の方が年収が高いと言えます。 

ただし、賞与や特別給与額では女性の方が高い傾向があり、ここに男女差の縮小を示す兆しも見受けられます。このため、全体として男性が女性より高い年収を得ている一方で、ボーナスなどの変動部分では男女の収入差はそれほど大きくないとも考えられるでしょう。 

男女差が生じる主な理由 

美容師の年収に男女差が生じる主な理由は、以下の点が考えられます。 

1.キャリアの違いと昇進の機会 

男性美容師は、店長やマネージャーなどの管理職に昇進する機会が多く、これが年収差の大きな要因となっています。男性美容師は、40代以降に現場からマネジメント業務に移行することがあり、その結果、収入が増加しやすいと考えられます。

 

2.ライフイベントの影響 

女性美容師は、結婚や出産によるキャリアの中断が一般的で、育児期間を経て復職した際には、技術の再習得や顧客基盤の再構築が必要になることがあり、これが収入に影響します。特に、育児後に再び仕事に戻った場合、指名客の獲得に時間がかかることがあるでしょう。 

3.体力的な差異 

美容師の仕事は長時間の立ち仕事であり、体力が必要です。男性美容師は女性よりも多くの顧客を担当できる体力があるため、特に歩合制のサロンでは、男性がより多くの収入を得ることができる傾向にあります。 

美容師の労働環境に関するデータ 

美容師の労働環境に関する公的データから、以下のような実態が浮かび上がってきます。 

労働時間 

令和5年賃金構造基本統計調査によれば、美容師含む生活関連サービス業の労働時間は以下の通りです。 

・所定内実労働時間:月170時間 

・超過実労働時間:月7時間 

これらの数字は一見すると他の業種と比べて長くはありませんが、実態はより複雑です。 

※7 令和5年賃金構造基本統計調査 

その他の特徴 

その他の特徴についても紹介します。 

週休2日制の未浸透 

多くの美容室で完全週休2日制が導入されていない現状があります。平成29年度の調査ですが、美容室の定休日数は月6日が最多で、次いで5.5日となっています※8。週休2日制の場合、月8日が休みとなるため、少ない現状がありました。 

しかし、2024年現在は、シフトの柔軟性や週休2日制を導入しているサロンもあるため、自身の理想とする働き方にあわせて勤務時間等を選ぶことができます。 

※8 厚生労働省|美容業 結果の概要 

高い離職率 

厚生労働省の調査では、入社3年目までの離職率が57%※9と半数を超える割合となっています。 

これには、理美容師以外の生活・娯楽関連サービス業の数値が含まれています。また、リクルートによる調査によれば、1年以内に3.3%、全体の離職率は48%※10となっているため、高い割合であることには変わりありません。以下に自分に合う美容室で働けるかがポイントとも言えるでしょう。 

※9 厚生労働省|理容師制度及び美容師制度を巡る現状と動向について【pdf】 

※10 リクルート|美容サロン就業実態調査(2024年)美容師の初職就業期間は「3年未満」が36.7%。早期離職が起きる理由は?最初の職場を辞めた後に、美容師を継続するのは55.4% 

身体的・金銭的な負担 

シャンプーや薬剤による皮膚炎、中腰・前傾姿勢による腰痛、腱鞘炎などの健康リスクがあります。これらを理由に美容師を諦めてしまった方も少なくありません。 

また、道具費、練習材料費、講習費など、自己負担の諸費用がかかるケースもあります。ですが、ウィッグを提供している、自サロン内で練習や指導をするなどで、費用負担が抑えられるサロンもあります。 

まとめ 

ヘアーサロンイワサキは、ライフスタイルに合った働き方ができるサロンです。時給も1分単位で計算しており、キャリアアップ支援もご用意しています。 

美容師の収入は、技術向上や固定客の獲得が重要な要素ですが、働く環境も大きな影響を与えます。実力の差、稼働の差がある中、個々の稼働率に合わせて収入が増える仕組みを実現しているサロンもあります。また、しっかりと時間が管理され、サービス残業のような負の要素を負わない働き方も、長期的に安定した収入と働きやすさを得るポイントです。長い目で見て安心して働ける環境を提供しているサロン選びをしてくださいね。