市販のヘアオイルについて、お客様から相談を受ける機会は少なくありません。成分や使用感、価格帯などを整理しておくことで、市販品ならではの提案もしやすくなります。
この記事では、悩み別にすすめやすい市販のヘアオイルと、提案時に押さえておきたいポイントをまとめました。店販品との棲み分けや、接客時の伝え方にお役立てください。
美容師が知っておきたい市販ヘアオイル選びの基本ポイント
市販のヘアオイルをお客様に提案する際には、成分や使用感、価格帯を理解しておくことが重要です。ここでは、押さえておきたい選び方のポイントを紹介します。

オイル成分の違い
まずは、市販されているヘアオイルによく配合されている種類と特徴を掴んでおきましょう。
アルガンオイル
モロッコのアルガンツリーの実から採取され、ビタミンEや不飽和脂肪酸を豊富に含んでいるのが特徴です。乾燥によるパサつきや広がりが気になる髪に対して、しっとりとまとまりのある仕上がりが期待できます。
ホホバオイル
人の皮脂に近い性質を持ち、酸化しにくく軽やかな使用感が特徴です。ベタつきを避けたい方や、髪が細くてボリュームが出にくい方に向いています。また、ヘアオイルをあまり使ったことがないお客様でも取り入れやすいオイルです。
椿油
日本でも古くから髪の手入れに使われており、オレイン酸が主成分です。髪に自然なツヤを与え、うねりや広がりを抑えるのに役立ちます。やや重めの質感であるため、太く硬い髪や湿気で広がりやすい髪に向いています。
テクスチャーによる向き不向き(軽め/重め)
オイルの仕上がりはテクスチャーの重さによって大きく変わります。軽めのオイルは細い毛やボリュームを出したい髪向けで、朝のスタイリングにも使いやすく、さらっと軽い感触が特徴です。
一方で重めのオイルは、広がりやすい髪や乾燥が気になる方に向いています。冬や梅雨など、まとまりにくい季節でもしっとり落ち着かせたいときに適しています。
どちらのタイプでも、小量なら軽やかに、多めならしっとり重めの質感に仕上がります。毛先中心に塗布すればまとまりやツヤが出やすく、根元を避けるとベタつきを防げます。このように、量や塗布場所によっても使い分けられるとアドバイスできれば、お客様にも喜んでいただけるでしょう。
価格帯と購入しやすさ
市販のヘアオイルは、1,000〜2,000円台が中心で、ドラッグストアや通販などでも広く流通しています。
この価格帯は「毎日使える価格感」として設計されている製品が多く、使用感や香りなどを気軽に試せる構成になっているのが特徴です。展開も小〜中容量が主流で、リピート前提で作られているものが多く見られます。
また、販路が広いことで、買い替えやすさや在庫の安定性といった点でもメリットがあります。例えば「ネットでも買える」「近所で取り扱いがある」という流通のしやすさは、お客様の継続使用にも影響するでしょう。
こうした価格帯や流通の特性を理解しておくことで、店販品と市販品の役割や用途の違いを把握できます。
悩み別にすすめやすい市販ヘアオイル
髪の悩みは一人ひとり異なります。ここでは、乾燥やうねり、ツヤ出しなどの悩みに応じて提案しやすい市販のヘアオイルを、目的別に紹介します。

乾燥・パサつき
乾燥やパサつきには、保湿性とまとまりのある仕上がりを両立できるオイルが適しています。
アンドハニーの「ディープモイスト ヘアオイル 3.0」
ハチミツ由来の保湿成分が特徴で、しっとり感とツヤ感のバランスがとれた仕上がりです。少し重めのテクスチャーで乾いた毛先にもなじみやすく、ドライヤー前に使えば水分の蒸発を抑えつつ、熱によるパサつきも起きにくくなります。香りはダマスクローズをベースにしたやさしい甘さで、落ち着いた印象を好む方にも扱いやすいタイプです。
商品はこちら(公式サイト):
いち髪の「プレミアムヘアオイル」
純・和草油?
和草由来の成分を配合した、軽めの使用感が特徴の一本です。ベタつきにくく、細毛や軟毛で重さを気にする方にもなじみやすいため、「オイルを使うとペタッとしそうで心配」という方にもすすめやすいタイプです。指通りをなめらかに整えながら毛先にほどよいまとまりを出し、自然なツヤ感も演出できます。質感が軽いので、オイルケアに慣れていない方でも毎日のケアに取り入れやすく、最初の一本としても扱いやすい製品です。
商品はこちら(公式サイト):
https://www.kracie.co.jp/ichikami/detail/outbath/product04.html
うねり・くせ毛
髪の広がりやうねりには、表面をなめらかに整え、湿気の影響を抑えるタイプのオイルが適しています。
大島椿の「椿油100%」
オレイン酸を豊富に含む純度の高いオイルで、保湿力と補修力に優れています。重ための使用感ながら、少量でも伸びがよく、うねりを落ち着かせながら自然なツヤを出せるのが特徴です。特に太く硬い髪や湿度で広がりやすい髪質のお客様におすすめです。香りは控えめで、無香料を好む方にも向いています。
商品はこちら(公式サイト):
ボタニストの「ボタニカルヘアオイル スムース」
植物由来成分を配合した軽めのテクスチャーが特徴のオイルです。髪が細い・柔らかい・絡まりやすいといった悩みを持つ方にもなじみやすく、重さやベタつきを避けたい場合にも提案しやすいでしょう。ドライヤー前後どちらにも使いやすいため、保湿ケアと仕上げのまとまり感をひとつでカバーしたい方にも向いています。
ツヤ出し・スタイリング
ツヤ感や仕上げ重視のスタイルには、髪表面をなめらかに整えるタイプのオイルが適しています。軽さやベタつきにくさも選ぶ際のポイントです。
ロレアルパリの「エクストラオーディナリーオイル」
ツヤ感をしっかり出したいときや、パサつき・広がりを落ち着かせたい仕上げに向いています。やや重ためのオイルなので、髪が太めの方や乾燥で広がりやすい髪に合わせやすく、仕上げでツヤを出したいという希望にも応えやすいタイプです。ドライヤー前に少量使うと保湿ケアとしても働きやすく、使用量の調整次第で仕上がりの軽さにも幅を持たせられます。
商品はこちら(公式サイト):
https://www.lorealparisjapan.jp/hair-oil-and-cream/extraordinary-oil
エリップスの「ヘアビタミン(カプセルタイプ)」
少し軽めの使用感を希望される方向けです。1回分ずつ分包されているため衛生的で使いやすく、旅行用やお試し用としても提案しやすい製品です。さらっとした仕上がりながら保湿成分をしっかり含んでおり、カラーやパーマによる乾燥ダメージの補修にも適しています。香りも豊富に展開されており、好みに合わせて選びやすい点も魅力です。
商品はこちら(公式サイト):
ヘアオイルの使い方のコツ
オイルの効果を引き出すには、使用量や塗布のタイミングなど、基本的な使い方をきちんと伝えておくことが大切です。お客様に説明する場面を想定して、伝え方のポイントをまとめました。

ステップ1使用量を調整する
目安量を髪の長さや太さに合わせて具体的に伝えると、仕上がりの失敗が少なくなります。例えば「ショートなら1〜2プッシュ、ロングなら3〜4プッシュが基本です」と前置きしつつ、「細い髪は少なめに」「乾燥が強い方は少し多めでも大丈夫ですよ」と補足できると親切です。
ステップ2塗布のタイミングを選ぶ
タオルドライ後の半乾きの状態で使うと、髪にオイルがなじみやすく、保湿力も引き出しやすくなります。仕上げで使いたい方には「少量を毛先中心に」のように伝えると良いでしょう。「乾かす前と仕上げ、どちらでも使えるけど、目的に合わせて調整しましょう」と言葉を添えてみるのもポイントです。
ステップ3つけすぎを防ぐ
オイルをつけすぎたり、根元まで塗布してしまったりすると、ベタつきやボリュームダウンの原因になります。「量が不安な方は、まずは1プッシュから様子を見て」と伝えてみてください。また、「コームで全体に均一にのばすとムラなく仕上がりますよ」といった具体的なアドバイスもおすすめです。
HERBEEのヘアオイルの紹介

HERBEEのヘアオイルは、私たちヘアーサロンイワサキが開発したオリジナルのヘアケア製品です。
日常のケアに取り入れやすいよう、自然由来の成分を中心に設計しており、髪や頭皮への負担を抑えながら使っていただけます。
テクスチャーは軽く、指通りもなめらかで、オイル特有の重さやベタつきが気になる方にも扱いやすい仕上がりです。乾燥による広がりやパサつきが気になる場面でも、自然なツヤとまとまりを与えやすく、ご自宅でのケアにも無理なく取り入れていただけます。
全国のイワサキ各店舗にて取り扱っておりますので、気になる方はお近くの店舗でスタッフにお声がけください。
~HERBEEヘアオイルについて~
7種類の天然オイルと9種類の天然ハーブエキスを配合し、日々の生活で負ってしまうダメージから髪の外部を護り、内部に栄養を届けコーティング。
いつも以上の指通りであなたの「素敵」を実現します。
●配合成分
天然オイル:スクワラン、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローズヒップ油
天然ハーブエキス:トウキセンカ花エキス、セイヨウノコギリソウエキス、セージ葉エキス、アルニカ花エキス、スギナエキス、カミツレ花エキス、ゼニアオイエキス、フユボダイジュ花エキス、セイヨウオトギリソウエキス
まとめ
市販のヘアオイルについて基本的な知識があれば、お客様の髪質や予算に合った提案がしやすくなります。成分や仕上がりを把握しておけば、自信を持って選択肢を提示でき、言葉にも迷いません。HERBEEなどの店販品と併せて複数の選択肢を持つことで、信頼関係の構築や接客の質も高まるでしょう。
こうした提案力や視点を日々のサロンワークで活かしていきたいと感じた方は、ヘアーサロンイワサキの求人情報もぜひご覧ください。未経験者やブランクのある方も歓迎しており、実践を通じてスキルを磨いていける環境です。